遠藤航のプレースタイルの特徴は?鉄壁の守備を誇るデュエル王の能力評価!

遠藤航選手はイングランド・プレミアリーグの名門リバプールでプレーし、日本代表ではキャプテンとしてチームをまとめ上げ、日本サッカーの中心的存在として活躍を続けています。

世界最高峰のリーグでプレーしている遠藤選手ですが、どうしてそんなに守備が上手いのか疑問に思う方もいると思います。

そこで今回は、遠藤航選手のプレースタイルの特徴について、遠藤航選手が世界基準のアンカーになるまでの経歴を探っていきます!

目次

遠藤航のプレースタイルの特徴は?

遠藤航選手のプレースタイルの特徴は、

  • ボール奪取能力
  • デュエルの強さ
  • 守備的ミッドフィルダーとユーティリティ
  • フィジカルと空中戦の強さ
  • 状況判断力と攻撃的な縦パス
  • メンタルの強さ

などがあります。

ポジションと、それぞれの特徴について順番に見ていきましょう!

ポジション

遠藤航選手は、アンカー(守備的ミッドフィルダー)でプレーしています。

守備的ということもあり、センターバックやサイドバックでのプレー経験もあります。

近年は「堅守速攻」のスタイルが主流となりつつあり、プレミアリーグのマンチェスターシティなどでも、アンカーを配置したフォーメーションが採用されています。

アンカーとボランチの違いがわからない方も多いと思いますが、違うのはアンカーは守備に徹する「守備的ミッドフィルダー」なのに対し、ボランチは攻守のバランスをとる「攻撃的ミッドフィルダー」という点だと思います。

アンカーを採用しないフォーメーションではボランチを2人配置し、攻撃と守備の役割を互いに担うことが多いです。

ボランチはポジション、アンカーは役割という考え方もあります。

ボール奪取能力

遠藤航選手のボール奪取能力は、正確なポジショニングと卓越した状況判断力に裏打ちされています。

彼は相手の動きやパスコースを瞬時に読み取り、インターセプトやタックルを適切なタイミングで仕掛けることで高い成功率を誇ります。

さらに、奪取後のプレーも非常にスムーズで、守備から攻撃への切り替えに貢献する点が特徴的です。

この能力により、チーム全体の守備力を底上げし、ピッチ中央での存在感を際立たせています。

デュエルの強さ

デュエルにおいて、遠藤航選手は相手との1対1での勝率が非常に高いです。

遠藤選手がブンデスリーガで2年連続となる最多デュエル記録を達成したことは、彼のフィジカル能力と安定感、そしてプレースタイルの優位性を象徴する成果です。

ブンデスリーガのような激しいフィジカルコンタクトが要求されるリーグで、1対1の競り合いにおいて圧倒的な強さを発揮することは、単に身体的な強さだけでなく、的確なタイミングでのコンタクトや相手の動きを読む予測力を兼ね備えていることを示しています。

この記録は、守備的ミッドフィールダーとして彼がチームの攻守の中心的存在であり続けている証であり、欧州トップリーグでも通用する競技力の高さを明確に示すものです。

守備的ミッドフィルダーとユーティリティ

遠藤航選手は、守備的ミッドフィールダーとして卓越した守備力とゲームメイク能力を発揮しつつ、センターバックやサイドバックなど複数の守備的ポジションを高いレベルでこなすユーティリティ性を備えています。

彼はアンカーとして相手の攻撃を寸断する役割を担い、的確なポジショニングと高い判断力で守備の安定感を提供します。

また、タックルやインターセプトによるボール奪取後には、正確なパスで攻撃の起点を作ることができるため、単なる守備職人に留まらず、チームの攻守を繋ぐ重要な存在です。

さらに、遠藤選手は複数のポジションに適応できる柔軟性を持っています。

センターバックやサイドバックなど複数の守備的ポジションを高いレベルでこなせ、このユーティリティ性によって、監督は彼を多様な戦術や試合状況に応じて起用でき、チームにとって非常に価値の高い選手と言えます。

フィジカルと空中戦の強さ

遠藤航選手のフィジカルと空中戦の強さは、単に身体能力に依存したものではなく、彼の周到な準備とタイミングの巧さが際立ちます。

欧州のトップリーグで培った強靭な体幹と接触プレーでの巧みなバランス感覚は、1対1の競り合いにおいて高い勝率を誇ります。

特に空中戦では、身長が突出しているわけではないものの、相手の動きを的確に予測し、飛び込むタイミングを完璧に合わせることで競り勝つ場面が目立ちます。

また、空中戦の強さは守備面だけでなく、攻撃時にも生かされています。

セットプレーでは、彼の動きの質とポジショニングの巧さがゴールチャンスを生み出し、チームにとって重要な得点源となる場合もあります。

状況判断力と攻撃的な縦パス

遠藤航選手の状況判断力と攻撃的な縦パスは、彼のゲームメイクにおける重要な武器です。

彼は試合の流れを的確に読み取り、どのタイミングでリスクを取るべきかを冷静に判断します。

特に、相手の守備ラインが整う前に縦パスを通す場面では、その決断力が際立ちます。

このようなパスは、味方の動きと相手のディフェンスラインの隙間を瞬時に把握する能力がなければ成立しません。

また、遠藤選手の縦パスには単なる距離やスピード以上の意味があります。

それは、受け手が次のプレーにスムーズに移行できるように意図が込められており、ボールを供給するだけでなく攻撃の方向性を明確にする役割を果たします。

この特性は、守備的な役割を担う選手にありがちな安全志向のプレーに収まらず、彼のプレーを攻撃的なものにしています。

遠藤選手の縦パスは、守備と攻撃の切り替えを加速させ、チーム全体のリズムを作る要因となっています。

メンタルの強さ

遠藤航選手のメンタルの強さは、プレーの安定感とリーダーシップに直結しています。

彼は試合中にどれほどプレッシャーのかかる状況でも感情に流されることなく冷静さを保ち、チームに落ち着きをもたらします。

この特性は、単なる精神的な強さだけではなく、経験に裏打ちされた自己制御力と、勝利のために最適な行動を選択する理性的なアプローチによるものです。

さらに、遠藤選手は困難な試合展開やミスが続く局面でも、自分の役割を全うし続ける集中力を持っています。

彼の言動やプレーは周囲の選手たちを奮い立たせる効果があり、キャプテンとしてチームを精神的に支える存在感が際立ちます。

こうしたメンタルの強さは、フィジカルや技術と同じくらい、彼が欧州トップリーグで活躍し続ける理由の一つとなっています。

遠藤航のプレースタイル【能力評価】

遠藤航:10の能力に対する短評評価と採点

❶ドリブル『60

遠藤選手のドリブルはシンプルで、特に派手さやスピードを活かした突破力は目立たないものの、ボールキープ力があり、相手のプレスをかわす際には堅実さを発揮します。

ただし、攻撃的なドリブル突破は得意分野ではありません。

❷スピード『65点』

スピードは平均以上で、守備的なポジションで必要な範囲をカバーする能力があります。

しかし、純粋なスプリント能力で際立つタイプではなく、状況判断による位置取りでスピードの不足を補っています。

❸パス『85点』

正確なショートパスと戦術的なロングパスを使い分け、攻撃の起点となれるプレーメーカーとしての資質があります。

特に守備から攻撃に切り替える際のパスの質は非常に高く、チームに安定感をもたらしています。

❹テクニック『70点』

遠藤選手は必要な技術をしっかり持っていますが、華麗なテクニックで相手を翻弄するタイプではありません。

堅実で効率的なプレーを重視し、特に守備時のボールコントロールが安定しています。

❺フィジカル『90点』

1対1の競り合いや体を張ったプレーで強さを発揮し、特にフィジカルが求められる欧州リーグでも十分に戦える力を見せています。

対人戦での安定感と耐久力は、彼のプレースタイルの大きな武器です。

❻攻撃力『65点』

遠藤選手は主に守備的な役割を担うため、攻撃面での直接的な貢献は多くありません。

ただし、セットプレー時には空中戦で得点を狙う場面があり、攻撃にも一定の存在感を示します。

❼守備力『95点』

守備的ミッドフィールダーとしての能力は世界レベルで、ポジショニング、タックル、インターセプトの全てで高い水準を誇ります。

チームの守備の安定を支える要となる選手です。

❽空中戦『85点』

身長が特別高いわけではありませんが、ポジショニングとタイミングの良さで空中戦を制する能力が高いです。

守備時のヘディングの安定感が特に際立ちます。

❾サッカーIQ『95点』

試合を読む力、ポジショニングの正確さ、適切な判断力など、サッカーIQの高さが彼のプレーの根幹を成しています。

相手の動きを読み、試合の流れをコントロールする能力は抜群です。

メンタル『100点』

遠藤選手のメンタルの強さは特筆すべき点で、どんなプレッシャーの中でも冷静に対応し、チームの精神的支柱となっています。

困難な試合展開でもぶれることがなく、安定したパフォーマンスを発揮します。

総評

遠藤航選手は、守備力、フィジカル、サッカーIQ、メンタル面で特に高い評価を得られる選手です。

攻撃的な部分で突出した特長はないものの、チームに欠かせないバランサーとして、攻守両面で大きな影響力を発揮しています。

遠藤航のプレースタイルを築いた経歴
〜世界基準のアンカーになるまで〜

主な所属チームは、

  • 南戸塚SC
  • 南戸塚中学サッカー部
  • 湘南ベルマーレユース
  • 湘南ベルマーレ
  • 浦和レッズ
  • シント=トロイデンVV
  • シュトゥットガルト
  • リヴァプールFC

などがあります。

小学生・中学生時代

小学生の時は「南戸塚SC」に所属、中学生の時は「南戸塚中学サッカー部」でプレーしています。

当時、横浜F・マリノスのファンで、5年生の時から3回横浜F.マリノスJr.ユースのセレクションを受けるも落選しています。

所属していたクラブの監督から「いい指導者がいる」と助言を受け、南戸塚中学サッカー部でプレーすることを決めます。

中学2年生の時に、湘南ベルマーレユースの練習に参加したところ当時のユース監督から興味を持たれ、中学3年の時に湘南ベルマーレからオファーを受け、高校進学と同時に入団しました。

高校生時代

神奈川県立金井高等学校に進学し、湘南ベルマーレユースでプレー。

高校2年生の時に、神奈川県少年選抜のキャプテンにも選ばれ第64回国民体育大会の優勝に貢献しています。

高校3年生で、湘南ベルマーレの2種登録選手としてJリーグデビューしました。

この頃に、リーダーとしての資質を磨き、チーム全体を牽引する力を身に付け、幅広い戦術やポジションに対応できる柔軟性を獲得したのではないでしょうか。

湘南ベルマーレ(2種登録選手)
 年 試合数 得点
201061

湘南ベルマーレ

2011年、J2・湘南ベルマーレのトップチームに昇格しプレーしています。

湘南ではディフェンダーとしてだけでなく、中盤の守備的MFとしても起用され、多様なポジションを経験しました。

2012年には、19歳ながらキャプテンを務めます。

また、PKのキッカーも任され、ディフェンダーでありながら7得点と、攻守においてチームに貢献しました。

湘南でポジションの幅広さを学び、どの役割でも高い水準で対応できる能力を身に付けたと言えます。

また、湘南特有のアグレッシブなスタイルが、遠藤選手の守備意識とハードワークの基盤を形成したのでしょう。

湘南ベルマーレ
 年 試合数 得点
2011-1515222

浦和レッズ

2016年、湘南ベルマーレから浦和レッズへ完全移籍

主にセンターバックとして3バックの一角でプレー、右サイドバックで起用されることもあり、守備的なポジションであれば高水準のプレーができるユーティリティ性を発揮していました。

浦和レッズでは、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)制覇を通じてアジアのトップレベルを体感しました。

ミシャ監督(ミハイロ・ペトロヴィッチ)の下で、細かな戦術指導を受け、プレーのインテリジェンスが向上したと考えられます。

日本代表として、2018年ロシアW杯メンバーに。

浦和レッズ
試合数得点
2016-18735
2017
ACL(優勝)
162
2016
(ルヴァンカップ)
270

シント=トロイデンVV(ベルギー)

2018年7月、浦和レッズからジュピラー・プロ・リーグのシント=トロイデンVVへ完全移籍

これまで、センターバックとしてプレーしてきましたが、移籍後はボランチとして起用されレギュラーに。

8月の第2節でデビューし、移籍後初得点を決めています。

ベルギーリーグへの移籍により、欧州サッカーのフィジカルやスピードに適応する必要がありました。

ここでの経験が、フィジカルの強さと対人守備の向上を実現したと言えるでしょう。

シント=トロイデンVV
 年 試合数 得点
2019-20
(途中退団)
30
2018-19172

シュトゥットガルト (ドイツ)

2019年8月、シント=トロイデンからシュトゥットガルトへ期限付き移籍

2019-20シーズン当初、序盤は出場機会に恵まれず、11月13日に行われたブンデスリーガ2部第12節、ディナモ・ドレスデン戦で念願の初出場を果たしました。

続く第13節のカールスルーエ戦では、移籍後初めて先発出場、アンカーとして攻守両面にわたり印象的なパフォーマンスを披露し、その試合をきっかけにレギュラーとして定着しました。

守備を立て直すキープレイヤーとなり、シュトゥットガルトの2年ぶりとなる1部昇格に大きく貢献しました。

遠藤選手の活躍はドイツ国内でも高く評価され、著名なサッカー誌『kicker』が選出するブンデスリーガ2部のベストイレブンにチームから唯一名を連ねることとなりました。

2020-21シーズン、シュトゥットガルトに完全移籍となり、第23節のシャルケ戦でブンデスリーガ初ゴールを含む2得点を記録し、チームの勝利に大きく貢献しました。

しかし、最も注目すべきは、遠藤航選手がブンデスリーガ内でのデュエル勝利数476回を記録、リーグ最多デュエル勝利を達成し「デュエル王」の称号を獲得

シュトゥットガルト全体のデュエル勝利数は3837回で、その約12.4%に当たる勝利数です。

2021-22シーズンからキャプテンに就任、このシーズンでも448回のデュエル勝利数を記録し、2年連続となる「デュエル王」となりました。

2022-23シーズン、チームは残留争いに巻き込まれながらもキャプテンとして貢献し、1部残留となりました。

デュエル勝利数はブンデスリーガ内で4位、3年連続のデュエル王の称号は得られませんでしたが、デュエル勝利数は439回でした。

これは、ブンデスリーガ全選手の中で、遠藤選手だけが3年連続デュエル勝利数「400回」超えの大記録を達成しています。

VfBシュトゥットガルト
試合数得点
2022-23335
2021-22334
2020-21333
2019-20
(途中入団)
211

リヴァプールFC

2023年8月、プレミアリーグの名門・リヴァプールFCへの完全移籍、日本人選手としては南野拓実選手に続く2人目となる。

ボランチで主将のジョーダン・ヘンダーソン選手などの移籍や、モイセス・カイセド選手などの獲得に失敗したことで、30歳で異例の4年契約。

遠藤航選手は、プレミアリーグという世界最高峰の舞台で、リヴァプールの中盤を支える重要な役割を担っています。

クロップ監督の「ゲーゲンプレス」を実践することで、ポジショニングや判断速度がさらに向上し、世界最高峰の選手たちとの対戦が、遠藤選手のスキルとメンタルに新たな高みをもたらしていると言えるでしょう。

リヴァプールFC
 年 試合数 得点
2024-25
(12月時点)
60
2023-24291

日本代表歴

遠藤航選手の日本代表歴と出場大会を見ていきましょう。

U-19日本代表

  • 2010年 – AFC U-19選手権大会2010
  • 2012年 – AFC U-19選手権大会2012

U-21日本代表

  • 2014年 – 仁川アジア大会2014(怪我のため辞退)

U-23日本代表

  • 2016年 – AFC U-19選手権大会2016
  • 2016年 – リオデジャネイロ・オリンピック

U-24年日本代表

  • 2021年 – 東京オリンピック(OA)

日本代表

  • 2015年 – EAFF東アジアカップ2015
  • 2018年 – FIFAワールドカップ(ロシア大会)
  • 2019年 – AFCアジアカップ2019
  • 2022年 – FIFAワールドカップ(カタール大会)
  • 2024年 – AFCアジアカップ2023
日本代表
 年 試合数 得点
2015-24675

まとめ

遠藤航選手は、現在リヴァプールへ所属しプレミアリーグでプレーしています。

  • ボール奪取能力
  • デュエルの強さ
  • 守備的ミッドフィルダーとユーティリティ
  • フィジカルと空中戦の強さ
  • 状況判断力と攻撃的な縦パス
  • メンタルの強さ

などの特徴があり、日本代表にとって欠かせない「日本の心臓」と言える選手です。

リヴァプールでは、クロップ監督からスロット監督に代わり新体制になったことで、遠藤選手にとって過酷なシーズンになる可能性もあります。

ですが、世界に誇れるデュエル王としてこれからも活躍してくれることでしょう!

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