田中聡のプレースタイルの特徴は?海外移籍で変化した「37」の意味とは?

田中聡(たなか さとし)選手は、J1リーグ・湘南ベルマーレに所属しており、そのプレースタイルから「闘犬」と呼ばれていたことも。

今回は田中聡選手の「プレースタイルの特徴や、海外移籍で変化したこと」について調査したのでご紹介します。

この記事でわかること
  • 田中聡選手のプレースタイル
  • 田中聡選手のプロフィール・経歴
  • 田中聡選手が海外移籍で変化したこと
目次

田中聡選手のプレースタイル

田中聡選手のプレースタイルを解説するために、まずポジションについて見ていきましょう。

田中聡選手のポジション

田中聡選手は、アンカー(守備的ミッドフィルダー)と呼ばれるポジションでプレーしています。

守備的ということもあり、センターバックやサイドバックでのプレー経験もあります。

湘南ベルマーレの基本フォーメーションは3-1-4-2を採用していて、白色の場所が湘南ベルマーレでの田中聡選手のポジションです。3-1-4-2の「1」にあたる場所ですね。

近年は「堅守速攻」のスタイルが主流となりつつあり、プレミアリーグのマンチェスターシティやリバプールといった強豪クラブでもアンカーを配置したフォーメーションが採用されています。

補足

アンカーとボランチの違いがわからない方も多いと思いますが、違うのはアンカーは守備に徹する「守備的ミッドフィルダー」なのに対し、ボランチは攻守のバランスをとる「攻撃的ミッドフィルダー」という点だと思います。

アンカーを採用しないフォーメーションではボランチを2人配置し、攻撃と守備の役割を互いに担うことが多いです。

ボランチはポジション、アンカーは役割という考え方もあります。

田中聡選手のストロングポイント

・ボール奪取力

田中聡選手のプレースタイルを語るうえで欠かせないのがボール奪取力です。

攻守の切替が激しい中盤での球際争い、デュエルの強さ、インターセプトなどで相手の攻撃チャンスをことごとく潰す能力に長けている「潰し屋」ともいえる存在。

身長175cm、体重73kgと大柄な選手ではありませんが、自分より体格が大きい選手にも1対1で負けない体幹の強さや体の使い方が上手いのも特徴です。

これはボール奪取に関するデータにも表れてて、

回数順位
インターセプト総数172
1試合平均インターセプト数0.63
タックル総数844
1試合平均タックル数2.95
デュエル勝利総数885
Jリーグ公式サイトより引用

これら全ての項目で、Jリーグ全体でTOP5に入る成績を残していますし、湘南ベルマーレのチーム内成績では全ての項目で1位となっており、田中聡選手が「中盤の要」であることは言うまでもないでしょう。

・状況判断力

アンカーは、バイタルエリア付近でボールを受けることが多く、周囲の状況を見て的確に判断する能力が求められます。

攻撃に転じるのか、一旦ボールを保持するのか、それを攻守の切り替えが激しい中盤で瞬時に判断できる選手です。

特にビルドアップでは、チーム全体が攻め込んでいる時に攻撃の駒となってシュートを狙える位置まで走り込んできますし、敵陣のバイタルエリア付近でラストパスを供給、自らシュートを打つこともできます。

アンカーポジションからタイミングよく前線に出てくるので、相手にとってこれほどマークするのが難しい選手もなかなかいないのではないでしょうか。

・鋭い縦パス

田中聡選手は、視野が広くサイドに展開するパスやロングパスの精度も高いですが、一番の特徴は攻撃の流れを加速させる縦パスだと思います。

この縦パスからチャンスを演出するシーンをよく見ますし、絶妙なタイミンングで相手が嫌がるスペースへパスを供給できるセンスがあります。

1試合平均敵陣パス数が27.6回でJリーグ全体の10位というデータを残していて、アンカーでありながら敵陣まで顔をだして積極的にパスを供給する攻撃意識の高さも素晴らしいですね。

・巧みなドリブルとコンパクトなシュート

田中聡選手は、密集した場所でも細かいタッチで相手をかわすドリブルがうまく、ボールを運ぶ技術の高さも大きな特徴だと言えます。

アンカーの選手は、どちらかと言えばボールを受けた時にパスを選択することが多いですが、ドリブルで運ぶことができるので攻撃時の選択肢を増やすことができます。

また、ビルドアップの起点となって攻撃を組み立てる能力も高いですが、自らフィニッシュできるシュート技術はFWの選手にも負けておらず、コンパクトな足の振りとミート力が高く、抑えの効いたシュートで今期も4得点あげています。

田中聡選手のウィークポイント

アンカーに求められる能力がバランスよく備わっている選手ですが、あえてウィークポイントをあげるなら戦術理解度だと思います。

田中聡選手のプレーは「がむしゃらにボールに喰らいつく」というイメージで、味方の動きや相手の動きを戦術的に理解したうえで最適なポジショニングをとるということに関しては少し苦手なように思います。

感覚でプレーするタイプだと自ら公言していることからも戦術理解が課題と言えるのではないでしょうか。

続いて海外移籍で変化したことについて見ていきましょう。

田中聡選手が海外移籍で変化した「37」の意味は?

ベルギーのコルトレイクへのレンタル移籍から、湘南ベルマーレに戻ってきた田中聡選手ですが帰国後の彼のプレーには変化があったように思えます。

それがシュート意識です。

シュート数(本)
2020年5
2021年13
2022年6
2023年7
2024年37

表を見てもらえれば一目瞭然ですが、今期はシュート数が「37となっていて、チーム内でも5番目に多くシュートを打っています。

移籍前も積極的に攻撃参加していましたが、自らシュートを狙いにいくより、パスでチャンスを演出することが多かったと思います。

それが海外挑戦から復帰した2024シーズンでは、ペナルティーエリア内に侵入してのシュートやミドルシュートを果敢に打つシーンが増えました。

アンカーでありながらも得点することにこだわり、これだけシュート意識と守備意識を持ち合わせている選手も多くないでしょう。

そのプレースタイルから日本代表MF・遠藤航の”後継者”と言われたりもしますが、ドリブルで前線に運ぶ技術やシュート意識は田中聡選手の方が高いのではないかと思います。

日本代表で例えるなら遠藤航選手と田中碧選手を合わせたようなプレースタイルではないでしょうか。

海外移籍でシュートへの意識が変化したことにより、攻守において手がつけられない選手へと成長していきそうですね。

田中聡選手のプロフィール・経歴

プロフィール
  • 名前:田中 聡(たなか さとし)
  • 生年月日:2002年8月13日(22歳)
  • 出身地:長野県長野市
  • 身長:174cm
  • 体重:70kg
  • 背番号:5
  • 利き足:左足

田中聡選手の経歴は以下の通りです。

2009年-2015年
長野市立三輪小学校

・5歳の時に兄の影響でサッカーを始める。
長野FCガーフに所属。
・クラブでの練習以外にも自宅や公園で自主練習

2015年-2018年
長野市立柳町中学校

AC長野パルセイロU-15に所属

2018年-2021年
相様高等学校(神奈川県小田原市)

湘南ベルマーレU-18に所属。

2019年
U-17日本代表へ初招集

・2月、高校2年生でU-17日本代表へ初招集
・4月、2種登録選手となる。
・10月、2019 FIFA U-17 ワールドカップ出場メンバーに選出。

2020年
湘南ベルマーレのトップチーム昇格

・2021シーズンからトップチーム昇格。
・7月8日、横浜F・マリノス戦でJリーグデビュー
・17試合出場0ゴール。

2021年
Jリーグ初ゴール!

・4月10日、サンフレッチェ広島戦でプロ初ゴールを決める。
・36試合出場2ゴール。
・U-22日本代表選出。

2022年
コルトレイクに期限付き移籍

・8月、ベルギー1部・KVコルトレイクにレンタル移籍。
・8月26日、移籍後初出場を果たす。
・15試合に出場するが結果を残せず。
・U-21日本代表選出。

2023年
湘南ベルマーレに復帰

・6月、湘南ベルマーレに復帰。
・途中入団ながら11試合に出場。
・U-22日本代表選出。

2024年
湘南ベルマーレ

U-23日本代表選出
・U-23ウクライナ代表との国際親善試合で1ゴール。
AFC U-23 アジアカップで優勝
・33試合4ゴール4アシスト(12月13日時点)
・2024Jリーグ優秀選手賞に選出

まとめ

田中聡選手は、長野県長野市出身のプロサッカー選手で、Jリーグ・湘南ベルマーレに所属。

ボール奪取力が魅力で、相手の攻撃チャンスを潰す守備力と攻撃を加速させる縦パス、コンパクトなシュートで得点も狙えるアンカー。

最初の海外移籍は成功とは言えないかもしれませんが、日本で実績を積んでまた海外に挑戦、そして日本代表とさらなるステップアップを目指してほしいですね。

今後の”田中聡選手の活躍”に期待しましょう!

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